糖尿病とは?
糖尿病は血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。
膵(すい)臓から分泌されるインスリンの働きが低下したり、インスリンの分泌が少なくなると血糖値が上昇してさまざまな合併症を引き起こします。
血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
血液検査の血糖値とHbA1cの値から糖尿病の状態が分かります。
血糖値は食事や運動の影響を受けて1日の間で変動しやすいため、長期的な血糖コントロールを把握するための指標としてHbA1cを用います。
血糖値
血液中のブドウ糖の量を調べる検査です。
正常の人の値
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満
HbA1c
赤血球のヘモグロビンとブドウ糖が結合したもので過去1~2ヶ月間の血糖の状態を反映します。
当院では血液検査をして5分後には結果をお伝えできます。
HbA1cの目標値
現在の日本糖尿病学会のガイドライン(2016年)では合併症予防のためHbA1c 7.0%未満が推奨されています。しかし、ご高齢の方は重症の低血糖を起こしやすく、認知症が進行したり、心筋梗塞の原因になったりするので、低血糖にならないように目標値がやや高めに設定されました。
糖尿病のさまざまな合併症
糖尿病は自覚症状がほとんどないため治療せずに放置し、高血糖の状態が続くと徐々に合併症が進行して、進行を止めるのが難しくなります。
神経障害
手足の感覚が鈍くなったり、しびれや痛みが生じます。
腎症
初期には無症状である場合がほとんどです。
進行すると尿にたんぱく質が漏出し、むくみが出現します。腎不全になると尿毒症症状(息切れ、貧血、食欲不振、全身倦怠感など)が出現します。
透析導入の原因の第1位が糖尿病です。
網膜症
目の網膜に障害が起こり、失明するおそれがあります。
成人で失明する原因の第2位は糖尿病です。
定期的に眼底検査をしましょう。
動脈硬化
血管が硬くなり、心筋梗塞や脳卒中、足を切断する原因になります。
健康な人と比べると心筋梗塞3倍、脳梗塞は2~4倍の発症率になります。
当院では頸動脈エコーを行い、動脈硬化の有無を調べることができ、特に脳梗塞の危険性を事前に知ることができます。
歯周病
歯茎の感染症である歯周病にかかりやすくなり、歯を失う原因となります。
早期から治療に取り組んだ患者さんは、そうでない患者さんに比べて糖尿病の合併症による死亡リスクが低下することが明らかになっています。早期発見、早期治療が重要な病気です。
糖尿病の治療
糖尿病は現在のところ完治させることができません。しかし、適切な治療をすることで健康な人と変わりない生活を送ることができます。
まず食事療法と運動療法をバランスよくおこない、それでも改善しない場合は薬物療法を併用します。代表的なものはインスリンなどの注射薬ですが、毎年、数多くの新しい薬が開発されており、多くの飲み薬があります。
当院では患者さん1人1人にあった医療を提供させていただきます。